労働者派遣法改正案を担当する厚労省の課長「ようやく人間扱いするような法律になってきた」 ~2015労働者派遣法改正案は、全く人間らしい扱いへ改正ではありません。


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「派遣はモノ扱い」発言を陳謝=塩崎厚労相

衆院予算委員会で質問を聞く塩崎恭久厚生労働相(右)。左は下村博文文部科学相=5日午前、国会内

 塩崎恭久厚生労働相は5日の衆院予算委員会で、政府が提出予定の労働者派遣法改正案を担当する厚労省の課長が「派遣労働者はモノ扱い」と発言したことは不適切だったとして、陳謝した。民主党の大西健介氏の質問に対し、答えた。
 大西氏らによると、担当課長は1月末、派遣の業界団体の会合で「派遣労働が、期間がきたら使い捨てだったという風なモノ扱いだった」と指摘。同法改正案に関し「ようやく人間扱いするような法律になってきた」などと語った。 
 厚労相は事実関係を認めた上で、「厚労省は派遣で働く方々をモノ扱いをしていることは決してないが、誤解を招くような不用意な言葉を担当課長が使ったことはおわびを申し上げたい」と答弁。2日に担当課長に厳重注意したことも明らかにした。(2015/03/05-12:27)


 労働者派遣法改正案は、全く人間らしい扱いへ改正ではありません

むしろ、悪化している改正案です

この課長は役人と言う上の立場から、派遣労働者に対して皮肉で真逆のことを言っているクズです

下記記事が、分かりやすく解説しています

ちなみに、「3年」という期間の制限は設けず、派遣元と無期契約を締結する「無期雇用派遣」というものがあるそうです。 それって正社員だろ?! と思うのですが、「無期雇用派遣」という扱いです

つまり、派遣会社がこの「無期雇用派遣社員」の賃金をずっと中間搾取する格好なのです
派遣業者とは、ただの紹介業者ではありません。
労働者賃金搾取の元であり、貧困不況の主犯格の一人です

そんな紹介業務はPCサイト構築で事足ります

派遣労働禁止! 派遣会社廃止!これが我々にとって一番良い制度改革です。


「派遣はモノ扱い」発言は当然!? 元厚労省官僚が「企業に優しい」労働行政の実態暴露

2015.03.03

 厚生労働省課長の「派遣はモノ扱い」発言が大きな問題となっている。1月末、派遣業界団体の会合で「派遣労働というのが、期間が来たら使い捨てというモノ扱いだったが、(派遣労働法改正によって)ようやく人間扱いするような法律になってきた」と述べたというが、ようするに、派遣労働法の規制緩和をした厚労省自身が「派遣労働者がモノ扱いされる」状況を作り出していたことを認めたのである。

 しかも、企業の派遣労働者受け入れ期間の制限をなくす改正案は企業に最大限配慮したもので、派遣労働者をモノ扱いする状況はまったく変わっていないのに、「ようやく人間扱いするような法律になってきた」などと嘘をふりまく。こんな発言を許していいはずがないだろう。

 それにしても、日本の労働行政はなぜ、こうも労働者に不利な政策ばかり次々に打ち出すのか。一方で、ブラック企業が横行し、残業代未払い、セクハラにパワハラと、これだけ企業側の無法がまかりとおっているのに、それに対しては罰則が軽く、ほとんど規制らしい規制をしてこなかった。実際、食品安全の規制等と違って、労働問題で企業が規制や罰則の厳しさから悲鳴を上げているという話はほとんど聞かない。これはいったいなぜなのか

 その理由について、今回問題発言をした官僚と同じ厚生労働省(旧・労働省)の元官僚、現・神戸学院大学教授の中野雅至氏が著書『ニッポンの規制と雇用』(光文社新書)のなかで、あまりにも明解すぎる解説をしている。
 
「私は平成2年に旧労働省に入省して14年間務めたが、この14年間の体験はそのまま私の政府に対する企業観を形作っている。その特徴を一口で言うと、『政府は何かと企業には気を遣う』ということだ」

 しかも、それは政策だけではない。今ある労働基準法の運用にも反映されていたという。

「企業にはものすごく優しかった。もちろん、労働基準監督署の現場などは正義感丸出しで企業を取り締まっていたが、役所全体としては『企業を潰してでも労働基準法を守らせろ』というスタンスには立っていなかった」(同書より)

 そこにはいくつか理由がある。まず、厚生労働省は雇用を増やすという役割も担っているためだ。

「旧労働省には雇用を扱う職業安定局という部署があった。こちらはハローワークを所管しているので、企業にとってもっと融和的な態度を取る。企業に求人を出してもらうなど、雇用を増やすのが職務だから、企業に優しい存在にならないとどうしようもない」(同書より)

さらに大きな理由として、各省庁が政府系金融機関を持っており、そのトップのポストは有望な“天下り”先となっていることもあげられる。

「役所が生産者寄りであることを何よりも示すのが、どこの役所も政府系金融機関を持っていて、そこのトップのポストが有望な天下り先として確保されてきたという事実だ。各省の天下り先を調べると、天下る人によってランクが設定されているが、政府系金融機関の総裁はどこの役所でも事務次官クラスの天下り先である。つまり役人の頭の中では、企業は国民より尊く、その企業よりも偉いのが企業に金を貸す銀行であり、その銀行を支配するのが日銀や政府系金融機関だと考えられているということだ」(同書より)

 かつて、厚生省も「衛生水準の向上および近代化の促進に必要」な融資を行う政府系金融機関・環境衛生金融公庫を有し、事務次官が天下りしていた過去がある。なお、1999年10月1日に国民金融公庫と統合され、国民生活金融公庫となった。 

 企業に法令を順守させるべき厚生労働省の有望な天下り先は、企業を支援する政府系金融機関という構図……。官僚出身の著者が「政官業癒着」というように、厚労省は企業ベッタリになってしまっているのだ。

 一方、労働者に対してはどうか。労働者に不利な規制緩和ばかり進んできたことについて『ニッポンの規制と雇用』は、労働者に政治的後ろ盾がないことを指摘する。

「規制緩和の実態はドロドロした権力闘争であり、政府がどの分野を取り上げるかは、役所とその応援団の力次第という側面がある。(略)ある時、規制緩和担当の事務局に対して『なんで労働規制ばかり取り上げるんですか? もっと他に取り上げるべき規制があるでしょう!』と文句を言ったことがある。担当者は悪びれもせず『だって自民党に(労働者の)応援団もいないでしょ。取り上げやすいじゃないですか』と答えた」というのだ(同書より)。

 労働組合があるじゃないか、との指摘もあるが、日本の労働者は「企業別労働組合」によって分断されている事情がある。とくに非正規労働者については強い圧力団体をもっておらず、なんの政治的な力もない。ようするに、政府は一番弱く、やりやすいところから、狙い撃ちして規制緩和をしてきたのだ。

 しかも、この労働規制緩和は安倍政権になってさらにエスカレートされる方向にある。「モノ発言」の厚労省課長が口にした派遣労働者受け入れ期間の制限をなくす労働者派遣法改正案、事務職の一部を対象に労働時間規制の適用を除外し、時間ではなく成果で賃金を支払う「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入を盛り込んだ労働基準法改正案も今通常国会で議論される予定だ。

 この流れを止めないと、我々国民は永遠に「モノ扱い」され続けることになるだろう。
小石川シンイチ

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