自動運転社会でバイク業界が淘汰されないよう、転ばないバイク作りにメーカーが奮闘


tricity_topws000598


<筆者>

2014年になって急にYAMAHAは三輪バイク「TRICITY」を販売します。

そのコンセプトは、「転ばないバイク」。
しかしまだ自立しませんし、転ぶ危険性はあるがそれを目標に作られているバイクとのことです。

そして三輪バイクをリリースする動機としては、「二輪バイク特有の不安定感、横転のリスクなどを減らすことで、新たな顧客層を開拓する」とメーカー側は言っているのですが、それは建前でしょう。

自立しないということは、運転者である人の捜査に依存しますから、近い将来、自動運社会になったら事故の際、バイクと自動運転車との過失割合が「100:0」になってしまう。そうしたらそんなリスクがあるものを誰ものなら無くなってしまうから、自動運社会到来と同時にバイクが淘汰されないよう、自立バイクを作ることがバイク産業の生き残るための必須の課題なのです。

つまり、「自動運転社会が到来したら、運転者の操縦に100%頼るバイクが淘汰されてしまう。だからその前に、バイクを自立させ、自動運転機能を搭載しなければいけない。」というのが、メーカーの本音ではないかと私は分析しています。

そして以下の記事のように2016年の時点で末に保険会社は自動運転社会に向けて、自動運転中の事故を「無料特約」とし、自動運転社会へと移行しやすい環境に寄与しています。

>東京海上は来年4月から自動車保険のすべての契約者に対し、無料の特約として自動運転中の事故を補償対象に加えます


ws000369
自動運転中の事故も対象の保険 東京海上から国内初(2016/11/08 11:05)

 東京海上日動は国内で初めて、自動運転中の事故も対象にした保険を開始します。

 東京海上は来年4月から自動車保険のすべての契約者に対し、無料の特約として自動運転中の事故を補償対象に加えます。日産のセレナなど、自動運転の車が普及し始めていることに対応します。具体的には、自動運転中にシステムの誤作動で事故が起きた場合や無人の車が外からハッキングされて事故を起こした場合などを想定しています。こうした事故は責任の所在があいまいで、問題の解決に時間がかかる恐れがありました。そのため、まずは保険金を支払って被害者の救済を優先し、メーカーなどへの賠償請求は東京海上がまとめて行います。


そして、社会は自動運転社会に向けて、手動運転の事故を盛んに報道し、手動運転にはリスクがあるという刷り込み、同時に社会整備を進め、自動運転車の普及せざるを得ない環境作りに勤しんでいます。

自動車の自動運転化に向けて、手動運転にはリスクがある社会環境に変えようとしている。~どこでも速度取り締まり=小型計測装置、初の本格導入―愛知県警

<2016年11月13日1局で8件>自動運転社会の為の、手動自動車ネガティブキャンペーン報道

つまり、交通事故があった際に、手動運転者の過失割合が100%になるという社会設計を目指しているのです。

そのような社会になったら誰が手動運転自動車に乗るでしょうか?

怪我の恐れ以上に、金銭的リスク(慰謝料請求・賠償金)が大きく手動運転車には乗れない社会です。

そうすると、当然路上を走るバイクはどうなってくるか容易に想定できます。

自動運転の車とバイクの事故が起きた場合、バイクは手動運転ということでバイクの過失割合が100%になるでしょう。

つまり、バイクも自動運転社会に向けて自動運転化しなければ、誰も乗らなくなってしまう社会が訪れるという事です。金銭的リスクがあるから乗れないというわけです。

そのような社会に移り変わる未来を見据えて、YAMAHAは2014年に突如、三輪バイクを発売し、2017年度も新型TRICITYを新発売したのではないでしょうか。

そしてその先にあるのはバイクに自動運転機能を搭載させることなのです。

しかし、二輪車で自立して横転しないようにするのは難しい。

そうするとバイクに自動運転機能を搭載させるためには、三輪バイクにしなければ実現できないと踏んだのではないでしょうか?

その為にはまず、「バイクと言えば二輪である」という大衆の概念(バイクへのイメージ)を変え無ければいけない。

だから早期に三輪バイクへの免疫を付けるべく、世界各国の自動車メーカーが自動運転車の開発に本腰を入れるに当たり、それを見据え、2014年にリリースしたのでしょう。

2016年の現代では三輪バイクは宅配バイクなどのイメージがあり、ダサいのです。

1010554_00_2008_03 H_jyro1

そのイメージをまず払拭しなければ大衆が乗ってくれないのは明白なのです。

ですから、自立や転倒の恐れがない三輪バイクが実現する前から、三輪バイクを大衆になじませ、違和感が生まれないような刷り込みを行う必要があるから、早急にリリースする必要があったというわけです。

だからこそYAMAHAの三輪バイクをTRICITYまだ自立してい・な・い・のです。

つまり三輪バイクにしても、二輪に近い操作感など現在のバイクカーが求めるものをいきなり捨てはしないのです。

三輪であればすぐに自立できるはずなのにあえてしないのはそうゆう意味があるのだと思っています。

まずは、自立よりも先に三輪バイクのイメージをダサいから「かっこいい」に変えなければいけないからです。

そして、ゆくゆくはバイクにも自動運転機能を取り付けようとしているのです。

そのころには、社会はマスコミ行政一体となって、手動運転の危険と実際にリスクがある社会整備が進んでいるでしょうから、バイクの自動運転機能を搭載に対して「待ちに待った。」と、もてはやされる社会環境になっていることでしょう。

そして今回の三輪バイクについて調べている時に大きな違和感がありました。

それは、YAMAHAの関係者はこの三輪バイクTRICITY(トリシティー)を「バイク」と呼んでいないのです。

「コミューター」と呼んでいるのです。三輪バイクを、バイクや三輪バイクと呼ばずに「コミューター」と呼んでいたのです。

「コミューター」とは、数人から数十人が乗る飛行機や、バスのことを言います。また「コミューターバイク」という言葉があり、それは「街乗り自転車」で「自動バイク」ではなく「自転車」の事を差すようです。

TRICITYは、「コミューター」ではなく、「三輪バイク」だろう、と。

つまり、バイクと言えば二輪であることから、バイクの概念を変えると同時に、「コミューター」という概念を作り上げようとしていると感じました。

それはバイクの淘汰に他なりません。

このように、バイクは淘汰され「コミューター」がバイクの代替え機とされる社会が自動運転社会では進行するかもしれません。

そして、ここに来て、2017年、HONDAが自立できるバイクを発表しました。

WS000221WS000222


%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2017-01-06-9-51-02ホンダ、自立するバイク「Honda Riding Assist」世界初公開

Impress Watch 1/6(金) 8:38配信

 

 本田技研工業は1月5日(現地時間)、米ラスベガスで開催の「CES2017」において、ライダーが乗っていても、乗っていなくても自立する2輪車の実験車「Honda Riding Assist」を世界初公開した。

【この記事に関する別の画像を見る】

Honda Riding Assistは、ASIMOに代表されるヒューマノイドロボット研究で培ったホンダ独自のバランス制御技術を2輪車に応用。ライダーが少しバランスを崩しても、バイク自体がバランスを保つことで、低速走行時や停止時のふらつき、取り回しの際の転倒リスクを軽減。一方で、通常の走行時には、既存の2輪車と同等の操縦性を実現。ツーリングやバイクのある日常をより楽しいものにする提案。

Honda Riding Assistのほか、ホンダブースでは「Cooperative Mobility Ecosystem(考える・つながる・楽しいモビリティのある世界)」をテーマとして、世界初公開となるAI技術「感情エンジン HANA(Honda Automated Network Assistant)」を搭載する自動運転機能を備えたEVコミューターのコンセプトカー「Honda NeuV」などを出品。

会場で行なわれたプレスカンファレンスに登壇した、本田技術研究所 代表取締役社長 社長執行役員 松本宜之氏は「ホンダはこれまで、モノづくりで社会の変革を起こしてきましたが、これからの時代は、モノづくりだけでなく、コトづくりが重要な意味を持ってくると考えています」と話した。

加えて、「そのために、従来のハードウェアを中心としたメカニカルエンジニアリングに加え、AI・ビッグデータなどのソフトウェア技術、さらにはロボティクスなどの新しい技術で、人に寄り添い、つながり、ココロを動かすモノ・コトをお届けし、新しい価値を作っていきます」と述べ、新価値創造を行なうために、これまで以上にさまざまな企業とオープンイノベーションを通じて戦略的な連携を図っていくとの考えを示した。


動画を見てもらえばわかるように、自立しています。

しかしYAMAHAの三輪バイクの流れが無くなるのか?と言ったらそうではないと思います。

いくら自立したからといて、この二輪車「Honda Riding Assist」が絶対に倒れず、自立し続けられるのか?といったらそうではないはずです。

つまりこの一見自立する二輪車に自動運転機能を搭載できるのか?という問題です。

自立の先には「自動運転機能を搭載する。」という目的があるのです。

動画では、二輪車が無人で動いています。ハンドルも切っています。

しかし、人が乗って動いているわけでもなく、むしろ路上を走ってもいません。カーブも曲がっていません。

ただ、真っ直ぐに歩行速度で徐行しているだけです。

極端に言えばこうゆう状態ではないのです。↓40秒から蹴られても倒れないロボット。

二輪車が停止時、又は徐行時に自立しているだけです。

二輪車の自動運転化の未来に一歩近づいたことに変わりはありませんが。

三輪バイク(コミューター)が大衆に浸透し、自動運転社会に仲間入りするのか?

新たな技術革新で、二輪バイクが自動運転社会に仲間入りするのか?

現在、技術競争の真っただ中でしょう。

前者は重力を回避している分、自動運転へは近いが大衆が三輪への抵抗感をなくすことができるのか?

後者は、視覚的なバイクの概念は払しょくしているが、二輪でどう自動運転に持っていくのか?

といったところでしょう。

今後これらの軍配は、大衆の常識の書き換えのために存在しているテレビドラマを見て居ればわかるでしょう。

三輪バイクがかっこいいものとして盛んに描かれれば前者が優位です。

バイクに自動運転機能を搭載させて普及させるためには、その必要性があるのです。

どちらにしろ、自動運社会到来と同時にバイクが淘汰されないよう、自立バイクを作ることがバイク産業の生き残るための必須の課題であることは間違いありません。

  • いいね! (58)
  • この記事の題材でまた読みたい! (39)
  • この記事を動画で見たい! (40)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA