財務省は、返す必要がない新たな「給付型奨学金」の導入に向け、19~22歳の子どもを養う親などの税負担を軽くする所得税の「特定扶養控除」を縮小する検討に入った。税収が増えた分は、親の収入が低くても大学などに進みたい若者の支援に充てる。
国による給付型奨学金の創設は、安倍内閣が8月に閣議決定した経済対策に盛り込まれた。文部科学省は、生活保護・住民税非課税世帯など年収が低い世帯の学生を対象に、2018年度の入学生から利用できるよう、支給要件や給付額を詰めている。
与党内には、少なくとも月3万円以上の奨学金支給を求める意見がある。制度導入の3年後には、年500億円近い財源が必要になるとみている。
<筆者>
少数を優遇する口実として全体を縮小する。
その繰り返しで、大衆全体から自由も権利も富も搾取していく。
それが今回の「特定扶養控除縮小の検討」は、大変分かりやすい例です。
「19~22歳の子どもを養う親などの税負担を軽くする所得税の特定扶養控除の恩恵」と、「収入が低くても大学などに進みたい若者への給付型奨学金」、どちらが全体にとってプラスでしょうか?
もちろん前者です。なぜなら前者のほうが対象者が多いからです。
しかも後者の奨学金適用基準を厳しいものに変えれば完璧です。
財源の節約になるわけです。
対象者が多いほうを縮小し、その口実を「少数の人たちの為」とする。
年金を減らす口実を「若い人達の為」とするのも全く同じです。