<さゆ>
〇テレビ朝日で放送されている「音楽チャンプ」という番組について
この番組を見て、憤りを隠せなかったので、記事にいたします。
一度この番組を見てください。(一番下に動画添付)
この歌番組は、「素人やプロの歌手などが歌を歌い、それを審査員が評価し、点数が高い人が優勝する」という番組です。
音楽に興味がない人は、飛ばしながら見てもOKなのですが、注目すべきは、この番組での採点方式です。
審査員の中の一人(一台)に「ロボット(人工知能)」が使われているのです。
しかもそのロボットは話し、具体的に歌を評価します。
しかも、画像のように審査員と並んで座っており、人のように扱われています。
そして歌の評価の満点は200点。
その内訳は、ロボットが100点、審査員4名×25点で200点です。
つまり、この番組では、ロボットの権限が、人間を超えて4倍もあるのです。
人間4人で、ロボット一台分です。
ロボットは正確性や歌の技術などを評価し、人間は表現、感情など(結局は総合点)を評価します。
その得点の合計で歌い手が評価されるのです。
私は、この番組を見ていて、MCが「チャンプ君(ロボット)の評価は?!」と言うたびに憤りを隠せませんでした。
意味不明な物体が、一番多くの点数を持ち、超短絡的判断から歌い手(人間)を評価するからです。
ロボットによる評価の後、謙虚な歌い手さんは、ロボットに「ありがとうございます。」と頭を下げます。
この行為が、自然なこととしてこの番組では、まかり通っているのです。
普通であれば、「ロボットに、ありがとうって・・・w」と失笑するシーンですが、なぜか会場全体でロボットに人権があるように振るまっているのです。
チャンプ君が、機械音声で歌い手を評価するコメントを聞くたびに、私は虫唾が走りました。
そして審査員には、私が大好きな先生である、菅井秀憲先生、そしていつも歌い手に対して愛情あふれるコメントをする、森久美子さんがいらっしゃいます。
お二人は人間味溢れるお人柄で、AIと対極にいる存在です。
お二人の音楽に携わってきた経験から語られる言葉は、ものすごく深く、的確です。
そして言うまでもなくお二人は、音楽家の前に人間です。
その人間から人間に語られる言葉は、人生の先輩として、同じ人である、歌い手さんの未来と心を見ています。
それがお二人のコメントから溢れるほど感じ取れます。(ちなみに、私がこの番組を見続けられたポイントは、歌い手さんの歌と、それに対する菅井先生のコメントが聞きたいからでした。)
その番組の中にAIが入り込み、歌い手(人間)を評価するという番組構成、採点方式に、違和感どころか、大変な憤りを感じざるを得ませんでした。
なぜならMC、審査員、ゲスト、全員が一生懸命、人生をかけて歌う挑戦者達に愛情をもって、尊敬の念をもって、接している中、AIがわざわざそれら、人の調和を乱し、邪魔をしているようにしか見えなかったからです。
結果的にAIは、歌い手全員に対して、8点ほどの差しかつけませんでしたので、審査員が持ち点をAIの評価に合わせて変えたりできる環境ではありました。
というのもAIの得点が出てから、審査員が点数を出す仕組みなので、人間が、勝敗?をコントロールできることが暗黙としてあったので、辛うじて番組を見ることが来ました。
が、しかしもしそれがもし「逆」で、AIが後から点数を出すことで、勝敗が決まっていたら、見るに堪えない番組になっていたことでしょう。
人ではなく、AIが勝敗の主導権を握っているイメージが高まるからです。
結果的に番組は、「人の判断で、優勝者が決まった。」と思えたから番組に対するの嫌な感じは、かろうじて最小限に抑えることはできたと思います。
しかし、この得点方式や番組構成では、その順序によって、優勝者自体をAIが決め、コントロールしているという事態になりかねなかったということです。
そして社会活動家の私からすれば、この番組は、この地球の縮図に見えて仕方がありませんでした。
大衆(参加者全員)は、助け合い、愛情を注いで、ダメな部分も許容し、認め合い、先々を見て、人を育てようとします。ルール(この番組で言えば歌唱に対する評価・社会で言えば、法)などケースバイケースです。
しかし、人工知能チャンプ君(支配者層)は、ルールを作り出し、人を一律に捉えて、権力(配点)を行使し、大衆を分断するのです。
この図は、現代社会そのものでしょう。
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それでは、この番組が社会に、そして未来に与える影響について話していきます。
この音楽番組の存在意義は建前として、「歌とは、人に共感、共鳴、琴線を震わす力を持ち、人に勇気と力を与えてくれる。それを視聴者に伝え、与える。」ことがひとつの目的としてあるでしょう。(主目的は、新人発掘オーディション)
それも確かに番組に存在していたと思います。良い歌が聞けました。
しかし大変残念なのですが、結局のところは「AIが人間を評価することを視聴者(大衆)に慣れさせる為に機能してしまっている」のです。
それが社会設計上の視点から見れば、そのようにメディアの力が大衆洗脳に機能しているのです。
これがメディアによる、大衆洗脳の手法なのです。
私は、この番組を見て、憤りを隠せなかった。
この憤りは今後も保ち続けるでしょう。
しかし、これを連日、あちらこちらで起こし、普通のこととして視聴者に刷り込んでいったら、大衆は、AIに評価されることに疑問を感じず、慣れてしまうでしょう。
むしろ大衆がAIの評価を欲するよう、ニンジン(褒美)と同時にAIに権限が与えられる社会設計になるでしょう。
実際にこの番組でも優勝(ニンジン)するにはAIの100点(権限)の評価は無視できないのです。(実際には人間の審査員で左右できたが)
疑問を感じ続け、憤りを抱き続けることは、人にとって大きなストレスになります。
ですから、このような番組が乱発し、それを見させられ、刷り込まれるなら、人はそのストレスをいずれ放棄して、AIによる評価に慣れてしまうのは時間の問題なのです。それが権力者の強みなのです。
そして我々が気づかなければいけないもう一つのことは
この番組を見て、人間味あふれる審査員と、AIのギャップとの気持ち悪さを感じる人が、今2017年は人類史上一番多い年でしょう。
つまりこの事象にストレスを感じる人が、一番多い状態が「今」です。
しかしこれから、このギャップを埋めていく社会設計が成され、AIの人間への評価が当たり前化する大衆総洗脳社会の流れが作られるでしょう。
その一端がこの番組です。
だから今声を上げるべきなのです。
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そして最後に、
ロボットの評価は何ら、良い歌かどうかを判断する上での根拠にはなりません。
誰の為の歌でしょうか?
歌は人の為でしょう。
歌い手、そして「聞き手の人がどう感じるか」が一番重要なのです。
しかしそれに対して「ロボットが評価する」ということは、どう感じる・べ・き・かを他者(AI)が狭い尺度の中で人間に提示しているということです。
また視点を変えれば、人が評価を他者(AI)にゆだねていることでもあります。(カラオケ採点機能の蔓延はシンギュラリティに繋がっていたのです。)
人間の主観や感覚という一番重要なものを、ないがしろにしている行為がAIによる採点に「頼る」ということなのです。
それを採点方法の中に取り入れているのが本番組になります。AIを採点に導入した理由を明白に示してもらいたいものです。
音楽要素がてんでバラバラの歌でも、良い歌は良いのです。
つまり、AIの評価など、歌の価値を左右するものとは、一切関係のないことであるのに、本番組ではこれを導入する、ということは他の目的があるということです。
その目的は先ほども言ったように、以下です。
・AIが人を評価することを視聴者(大衆)に慣れさせる為
・AIを人のよう扱う大衆洗脳
・AIに大きな権限を与えることで、AI迎合の風潮を作る
その先にある目的については、以下の、人工知能、シンギュラリティの動画で解説しました。
・動画「支配層と大衆の間に人工知能を置いた統治システムを構築する」
もう一度言います。
AIの評価など、歌の価値とは、一切関係ありません。
その証拠に、子供が歌う、音程、技術など一切無視の歌を、0点と言えますか?
0点でなくても、50点と言えますか?
その歌から何も感じないですか?
あなたがそこで歌っている。
それだけで聞き手にとっては、100点なのですよ!!!!
歌とは、究極、その人の存在なのです。
我々は人を愛しています。
その我々が他者に向ける愛情を、AIは絶対に超えることができません。
例えば、菅井先生の人生で積み重ねてきた歴史と、他者への愛情から生まれたコメントを、AIが成すことはできません。
人は、AIではなく、そのような人間に耳を傾けるべきなのです。
つまり、その命に代えてでも注ぎたい愛情が向けられた存在(ここで言えば歌い手、または子孫)は、我々と一緒にいるべきなのです。
それが、人生の先輩と後輩、そして後世との関係性です。
そして我々人間は、一人一人に、失っては取り返しのつかない「命」が宿っているから尊いのです。
AIは、コピー可能です。
ですからそこに、「すごみ」と「覚悟」「葛藤」などの人間足る多くの要素はありません。
そして最後に「一緒にいるべきなのです。」という表現を私が使ったのは、未来、「人工知能が我々の子孫を管理する。」つまり「大衆の自由を奪う為に利用される」という構図の青写真を支配者層が抱いていることが、社会風潮から私には見えていることが背景にあります。
2017年12月05日 さゆふらっとまうんど
(上記の動画は、実際よりも若干ですが、テンポが早くされているようです。ですから、歌番組に致命的なテンポ編集が加えられています。)
以下の前回の優勝者の丸山純奈さんの歌声はすごいです。
私の歌も聞いてください。↓
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